掛け軸の歴史: (9) 昭和前期 | 戦争の影響
投稿者 :翁志刚 on
1931年(昭和6年)に満州事変が起こって以後、美術の世界にも軍国主義の影響が次第に強まる。一部の画家たちは、自由な制作活動を通じて、戦争へと向かう国家に抵抗する姿勢を示したが、多くの画家たちは戦争に協力する道を選ぶ他なかった。1941年(昭和16年)、太平洋戦争に突入し、軍部は戦争に反対する美術家たちを弾圧する一方で、日本軍の勇ましい戦いぶりを描く戦争記録画の製作を画家達に依頼し、従軍画家として戦地に赴き戦争画の製作を行い、それらを並べた戦争美術展が戦意高揚を目的に相次いで開かれた。また、数多く出版されていた美術雑誌も、取り締まりによってまず八誌となり、次に二誌となり、最後には一誌だけに制限された。1944年(昭和19年)には公募展も禁止される。
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